トゲトゲ針種 ホウレン草

トゲトゲ針種 ホウレン草トゲトゲ針種 ホウレン草
左が交配種ロングセラーホウレン草。右が昔からの東洋種の日本ホウレン草の種。右は固定種と呼ばれ交配種と区別されています。交配種はF1種ともいい、なんだか速そうでかっこいい名前ですが、ハイブリットのFことで1は掛け合わせてできた一代目ということ。車でいえばガソリンと電気モーターのかけ合わせのハイブリットカーということですが、農業ではかなり前からハイブリットはやられていました。日本では主に野菜類の育種が盛んで昭和30年代頃から高度経済成長の波とともに、現在ではトマト、キュウリ、なす、カボチャ、キャベツ、白菜、大根、人参、などなど主要な野菜たちはみな交配種になっています。例えば病気に強いが収量が少ない種と病気には弱いが収穫量のある種をかけ合わせ病気に強く収量のある品種を作る。といった具合に育種をしていきます。(実際はもっと複雑ですが)理科の授業で習ったことがあるかもしれませんが、エンドウ豆を使ったメンデルの遺伝の法則で、掛け合わせた最初の世代(F1)は、お互いの長所(優勢)が現れる(雑種強勢の法則)を応用したものです。ホウレン草でいえば今の育種の方向はとにかく病気に強いもの(ホウレン草の場合ベト病への抵抗性)そして立性で生育のスピードが一斉にそろうもの(葉や茎が立つと面積あたりの株数が多いため量が採れる)などなど、作業効率のいいものが求められています。しかし、病気に強いもの強いものをどんどん育種していってもそれを上回る病気がまた現れるだけで、いたちごっこです。病気の根源はやはり畑!土の中です。ここを豊かに病原菌が住みにくい土にしないと、いつまでたっても真においしい、滋養栄養ある野菜は育たないのに、畑懐(はふう)ではまず土を良くし、そしてそこにうまい品種を蒔こう!いつでもセットでおすすめしています。ところで、この昔のホウレン草。八百屋では売っていません。こんない極うまなのに、市場出荷向きではないのです。生育のそろいはバラバラ成長スピードは遅い、茎葉は立たない、でも家庭菜園には大きくなったものから食べられるし、反対に生育が遅いの速いのあった方好都合ですよ。なにより、あの寒さにあたったホウレン草の味わいは現代のホウレン草では味わうことはできませんよ。日本の食文化とうまい品種をのこしたい私の大おすすめです。ぜひぜひぜひ蒔いてください。ちなみに、左の交配種ロングセラーの青色は食紅です。丸いのは、発芽しやすいようにトゲや堅い外皮を削っているからです。



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